インシデントとは?
インシデントとは、医療現場で患者に対して誤った医療行為を行い、医療ミスにつながりかねない出来事のことです。
新人看護師だけではなく、経験豊富なベテラン看護師でもインシデントを起こすケースは少なくありません。看護師がインシデントを起こした場合、インシデントを報告するインシデントレポートを提出し、再発防止に役立てます。
看護師に多いインシデントの事例
看護師は医師の指示のもとで医療補助を行うだけではなく、病気や怪我で不自由な生活を送る患者に介護を提供します。看護師はさまざまな業務を行わなければならないため、病院内で働くスタッフの中でも多くのインシデントが報告されています。
看護師はどのようなインシデントを起こすのでしょうか。ここからは、看護師に多いインシデントの事例を紹介します。
インシデントの事例①点滴・与薬
入院患者の病状や体重によって点滴の種類や量が異なるため、点滴・与薬に関するインシデントが最も多いです。点滴の投与速度も異なるため、ミスが起こりやすくなります。
多くの病院では、点滴・与薬に関するミスを防ぐため、バーコードや看護師のダブルチェックで管理しています。しかし、ダブルチェックしても与薬時間や速度を間違え、インシデントを起こしてしまいます。
インシデントの事例②医療機器
人工呼吸器を装着した際の接続ミスや点検管理不足など、医療機器に関するインシデントも少なくありません。
接続ミスや抜管などによるインシデントを防ぐためには、看護師同士のダブルチェックが必要です。接続ミスがあるとアラームで告知する医療機器もありますが、インシデント報告はなくなりません。
インシデントの事例③検査
検体の取り間違いによるインシデントも少なくありません。検体の取り間違いで検査が正確に行えなければ、再検査となるため患者に負担がかかります。
検査前に生年月日や名前を確認するなどして、インシデントを起こさないように注意しましょう。
看護師がインシデントを起こしたときの対応
インシデントを起こした場合は、正しい対応が求められます。ここからは、看護師がインシデントを起こしたときの対応について解説します。
対応①報告・処置を行う
インシデントを起こしてしまったら、すぐに先輩看護師に報告しましょう。インシデントの内容によっては、すぐに医師が対応しなければならないため、インシデントの発生から報告までの時間を空けてはいけません。
また、点滴や与薬ミスがあった場合は、すぐに処置が必要です。医師の指示に従って冷静に処置を行いましょう。
インシデントを報告する際は、自分の反省や考えは省き、ミスの内容を端的に伝えてください。
対応②インシデントレポートの作成
報告や処置が完了したら、インシデントレポートを作成します。インシデントレポートは、インシデントの再発を防止するための大切な報告書です。インシデントレポートを作成し、看護師全員でミスを共有することで、医療現場の意識を高められます。
インシデントレポートは、ミスをした犯人捜しを行うものではありません。インシデントレポートを作成する際も、反省や考えを除き、5W1Hを意識してください。
対応③気持ちを切り替える
ミスを起こすと誰でも落ち込んで後ろ向きな気持ちになってしまうでしょう。今後、ミスを起こさないためにも自分の気持ちを早く切り替えることが大切です。
自分がリラックスできる趣味で気持ちを切り替えましょう。次回の出勤時に前向きな気持ちで仕事を始められるように、気持ちを整理してください。
看護師がインシデントを減らす方法
ここからは、看護師がインシデントを減らす方法を紹介します。
方法①ルーチンワークに注意する
毎日繰り返し行っている業務は、確認不足によるミスに繋がりやすくなります。看護師に多い点滴や与薬に関するインシデントは、ルーチンワークが原因で起こるケースも少なくありません。
ルーチンワークによって起こるインシデントは、発見まで時間を要する可能性もあるため、ダブルチェックなどを行いミスを予防しましょう。
方法②業務再開時に注意する
緊急対応後や休憩後の業務再開時もインシデントの発生に繋がりやすくなるため、注意が必要です。業務から離れる場合は、必ず、今行っている業務を記録しましょう。
方法③医師の指示変更を確認する
患者の病状によって医師からの指示は日々変化します。医師からの指示が変更された場合はすぐに確認するようにしましょう。
自分で指示内容を確認するだけではなく、他の看護師と情報を共有しながら確認することでインシデントの発生を予防できます。
おわりに
看護師に多いインシデントの事例について詳しく解説しました。インシデントとは、誤った医療行為を行い、医療ミスにつながりかねない出来事のことです。
インシデントが発生したら、すぐに先輩看護師に報告して適切な処置を行わなければなりません。また、すぐに気持ちを切り替えて同じミスを起こさないようにしましょう。
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