「訪問看護師の役割ってなに？」
「訪問看護師になるためにはどうすればいいの？」
このような疑問を抱える方のために、この記事では訪問看護師の役割や魅力を徹底解説します。
現場での仕事内容や1日の業務スケジュールなども紹介しますので、訪問看護師に興味を持っている方はぜひご覧ください。
訪問看護師が活躍する役割
日本は高齢化が進んでいることもあり、年々介護を要する方が増えています。
それに伴い、訪問看護ステーションの設置数も急速に増加しています。
訪問看護の対象は高齢者だけではありませんが、需要が増えている大きな要因の一つです。
訪問看護師は、病院やクリニックの看護師と違い何が求められているのでしょうか。
主な役割について説明します。
生活に寄り添う療養の支援
訪問看護の対象は、在宅で生活する患者です。
同じ病気を患っていても、生活様式は一人ひとり違うため生活に合わせたケアを行います。
療養上の世話の面が強いのが、病院との大きな役割の違いです。
また、患者を取り巻く環境にも意識を向けることも大切です。
● 家族はお薬の管理や理解ができているか
● 自宅にある段差は転倒予防のため、改修の必要はないか
● お布団が固く、褥瘡（床ずれ）のリスクはないか
生活の場を見ることができる訪問看護師は、より生活に寄り添った支援が求められます。
多職種連携から地域で暮らせる日常をコーディネート
訪問看護ステーションに在籍するのは看護師のみですが、訪問看護師は多職種とのコミュニケーションが重要です。
各分野の専門家が情報共有や意見交換をおこない、利用者の生活がよりよいものになるよう目指します。
そのためには、積極的なコミュニケーションが必要です。
多職種とは具体的に、病院やクリニックなどに勤務する医師や看護師、訪問医、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、介護スタッフ、薬剤師、理学療法士や作業療法士などです。
連携の必要性を見抜くためにも、訪問看護師は患者の生活・日常を注意深く観察する必要があります。
訪問看護師として働く魅力
看護師として働く場所は、病院やクリニックなど数多くあります。
しかし訪問看護師や訪問看護ステーションの数はどんどん増えています。
その魅力はどこにあるのでしょうか。
ほかの職場とは違う、訪問看護の魅力をご紹介します。
在宅看護のスペシャリストとして活躍できる
訪問看護は、病院のあわただしい雰囲気とは違い、一人ひとりにじっくりと向き合うことができます。
利用者本人の「こう生きたい」、「こう生活したい」といった意思を尊重し、利用者に合わせてきちんとサポートしていく在宅看護のスペシャリストです。
満足のいく看護を行うためには、看護技術のほかに観察力やコミュニケーション力など多くの技術が必要となります。
簡単な道のりではありません。
しかし、長い関わりの中で病状の変化や回復を見ることができるのは大きな魅力でありやりがいにつながっています。
世間ニーズが年々増加している
日本の高齢化率は令和元年時点で28.4％となっており、この値はこれからどんどん増えていくことが予想されます。
高齢者が増えれば、医療や介護を必要とする方は当然増加します。
そのため、訪問看護ステーションのニーズは増え、設置数も年々増加しています。
訪問看護師は、求人数も増え働くのに困ることがないのも魅力の一つです。
訪問看護師として働くためには
訪問看護師として働くためには、看護師免許が必要です。
そのほかの資格は特に必要ありませんが、訪問看護は基本的にひとりでの訪問となるため臨床経験が3年以上あることが望ましいでしょう。
ある程度の看護技術や判断力、変化に気づける観察力が必要です。
ここでは、詳しい業務内容やスケジュール例などをご紹介します。
現場での業務
現場では身体的な面での支援はもちろん、患者・家族の心理的支援を行うことも大切です。
下記は主な業務内容です。
● 健康状態の観察
● 服薬管理や内服状況の確認
● 家族のサポート
● 口腔ケアや排泄ケア、褥瘡処置などの看護処置
● 認知症と精神疾患のケア
● 点滴や注射などの医療処置
● 医療機器の管理・指導
● リハビリ
● ターミナルケア
介入が必要と感じた処置に関しては、積極的に医師や専門職者と情報共有し連携を図る必要があります。
利用者にとってよりよい生活となるようにサポートするのは、やりがいを感じる瞬間ですね。
一日のスケジュール
訪問看護師が1日に訪問する件数は4～5件が一般的です。
1件あたりの訪問時間は30～60分程度で、午前に1～2件、午後に2～3件のスケジュールが多いようです。
すべての訪問が終わったら、訪問看護記録や利用者の情報共有、申し送りをして退勤といった流れです。
お昼休憩は基本的に訪問看護ステーションに戻ってからとりますが、スケジュールによっては訪問先の近くでとることもあります。
また、基本的に訪問はひとりですが、慣れていない場合は先輩の訪問看護師について2人でまわります。
慣れてきたらひとり立ちです。
まとめ
訪問看護師の仕事は、一人ひとりにじっくり向き合う在宅看護のスペシャリストです。
簡単な仕事ではありませんが、病院とはまた違ったやりがいを感じることができます。
訪問看護師に興味のある方は、ぜひ一歩踏み出してはいかがでしょうか。
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