出生率が年々減少する一方、高齢化がますます加速する現代。
そして、高齢化が進むにつれて看護業界に対するニーズも比例して高まっています。
そんな中、近頃は在宅での療養・治療を望まれる患者様が増えてきていることはご存知でしょうか?
在宅での治療・療養を望む患者様や患者様のご家族などは訪問看護、在宅でのリハビリを希望されるのですが、両者は目的がよく似ていることもあり、混同されることも少なくありません。
そこで、この記事では、目的やサービス体制が似ているがゆえに混同されやすい訪問看護と在宅でのリハビリの違いについて解説してまいります。
また、訪問看護と在宅でのリハビリのメリット・デメリットについても解説していますので、在宅での療養を検討しているという方はぜひ参考になさってください。
訪問看護とは
訪問看護とは、持病や病気などで療養・看護が必要であるとかかりつけ医に認定された患者様のうち、在宅での療養・治療を希望される患者様の自宅へ看護の専門職・リハビリテーションの専門職などが訪問し、かかりつけ医の指示にしたがったうえで看護・服薬管理・リハビリテーション指導などをすることです。
看護の専門職として挙げられるのは、最も一般的な看護職である看護師の他に准看護師・保健師などが挙げられます。
療養とは関係ありませんが、助産師も看護の専門職です。
リハビリテーションの専門職としては、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが挙げられます。
上記の看護師・保健師や理学療法士などは、「訪問看護ステーション」から派遣されることが多いです。
「訪問看護ステーション」以外には各病院・クリニックなどの医療保険機関の他に、民間企業などから派遣される場合もございます。
訪問看護はあくまでも患者様の「療養」に関するサービスを行うため、掃除や洗濯・炊事などの「生活面」でのサービスは含まれないことに注意が必要です。
リハビリとは
リハビリとはリハビリテーションの略です。
WHO(世界保健機関)によると、リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。
リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とすると、定義されております。
リハビリテーションは直訳すると「適した状態に戻る」とあることからも、「患者様の何らかの能力の低下を改善、または能力が低下しないように体の機能を維持する」と定義できます。
(リハビリテーションには医学的・職業的・社会的リハビリテーションが存在するのですが、本記事は看護に関する記事のため医学的なリハビリテーションについて説明しています。)
リハビリテーションを行う際には、リハビリの専門職である理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの指導のもと、低下した身体機能の回復・身体機能の現状維持を目指します。
最終的には、患者様が独力で日常生活を送ることができる水準まで回復することが望ましいです。
訪問看護とリハビリの違いは?
導入部にて、訪問看護と在宅でのリハビリはサービス体制や目的が似ているため混同されやすいと述べました。
それもそのはず、実は両者は包含関係にあるからです。
見出し1にて訪問看護とは「患者様の自宅を訪れ、それぞれの専門職による看護またはリハビリを受けられる」と述べましたように、在宅でのリハビリは訪問看護のうちに含まれていることが分かります。
つまり、在宅でのリハビリは、看護業務の無い訪問サービスといえます。
これが訪問看護とリハビリが混同されやすい理由です。
それでは、訪問看護とリハビリの違いが分かったところで、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
訪問看護のメリット・デメリット
訪問看護のメリット
1,自宅にて療養・治療ができる
入院などにより、慣れない環境や孤独感から不安になる患者様はとても多いです。
しかし、住み慣れた自宅で家族と過ごしながら療養・治療することは精神面に安定をもたらします。
2,看護・リハビリの専門職による医療サービスを受けられる
3,通院の手間がかからない
持病や症状の程度によっては通院が困難な場合が考えられます。
しかし、訪問看護であれば専門スタッフが自宅へやってきてくれるため、通院の必要がなくなることで利用者の負担は大幅に減少します。
訪問看護のデメリット
1,治療・医療サービスに限界がある
自宅での診療のため、病院や介護施設のような高度な医療機器などを用いる医療行為は望めません。
2,家族の負担が重い
看護サービスは受けていても、日常生活面ではご家族のサポートが不可欠です。
しかし、近頃は介護する家族が介護疲れやストレスなどを原因とする「介護うつ」を発症する場合があるなど、社会問題となっています。
リハビリのメリット・デメリット
リハビリのメリット
1,自宅で身体機能の改善・維持を図れる
2,通院の必要が無い
リハビリのデメリット
1,途中で治療をあきらめる可能性がある
在宅でのリハビリに限らず、リハビリというものは長く険しいものです。
なかなか思うように効果が出ず、途中で諦めてしまう患者様は多いです。
2,家族の負担が重い
訪問看護の場合と同様です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
訪問看護はリハビリを内包した包括的サービスであることが分かりました。
この記事をご覧になって訪問看護に興味を持たれた方はぜひ当社にご連絡ください。