高齢化が急速に進み続ける現代において、それに呼応するかのように看護業界に対するニーズも高まり続けています。
その中でも、在宅での看護や療養を希望されるご高齢の方が非常に多くなっていることはご存知でしょうか?
そこで患者様や患者様のご家族などは在宅看護、あるいは訪問看護を希望されるのですが、両者はとてもよく似ているように思えます。
しかしながら、両者は似て非なるものであり、全く異なる看護態勢です。
そこでこの記事では、そんな在宅看護と訪問看護の明らかな違いについて解説していこうと思います。
加えて、訪問看護と在宅看護のそれぞれのメリット・デメリットについても詳しく解説してまいりますので、在宅での看護を検討しているという方々の一助となれば幸いです。
訪問看護とは
訪問看護とは、病気や障害などで療養あるいは看護が必要であると主治医に認められた患者様のうち、ご自宅での療養を希望される患者様の元へ主治医の指示を受けた看護職・リハビリテーションの専門職などが訪問し、看護・リハビリテーション指導などをすることです。
看護の専門職としては、もっとも代表的存在である看護師の他に准看護師・保健師・助産師などが存在します。
リハビリテーションの専門職としては、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが存在します。
では、これらの看護師や理学療法士などはどこから派遣されるのかというと、一般的に多くの場合は「訪問看護ステーション」から派遣されます。
この他には、各病院・クリニックなどの医療保険機関・民間企業などから派遣される場合もあります。
訪問看護は、あくまでも患者様の「療養」に関する業務を行うため、掃除や洗濯などはサービスに含まれないことに注意しましょう。
在宅看護とは
在宅看護とは、その名のとおり「自宅で介護してもらう、あるいは介護する」ことです。
患者様が要介護状態となりながらも、住み慣れた自宅・生活圏での療養・治療を希望される場合の選択肢の一つです。
要看護状態となり、いきなり施設に入所することになった場合、患者様が不安感や孤独感を抱えることは想像に難くありません。
しかし、自宅で介護を受ける在宅看護であれば、住み慣れた我が家で看護を受けることができます。
また、愛する家族とともに過ごしながら療養できるため、患者様の精神面は非常に安定するでしょう。
在宅看護の場合、看護者は家族が担うことがほとんどです。
しかし、看護を担うご家族の中には、
「日中は仕事のため家にいられず、留守中に何かあったら不安…」
「だんだんと介護による負担が重くなってきた…」
という方もおられると思います。
もしも、上記の事由やその他の理由などにより介護が難しくなった場合、デイ・サービスやケアマネジャー・ヘルパーによるサービスを利用することも検討してみましょう。
訪問看護と在宅看護の違いとは
これまでに、訪問看護と在宅看護について解説してきました。
両者は「患者様が自宅にて看護を受けることができる」という点からも非常によく似ており、しばしば混同されがちです。
しかし、訪問看護と在宅看護には「看護者が違う」という明確な違いがあります。
在宅看護の場合、基本的に看護者は患者様のご家族が担います。
患者様やそのご家族の中には「他人の世話になりたくない・家に入れたくない」と思う方も少なくありません。
他には「金銭的に余裕がない…」「介護は必要だが症状はそれほど重くない」などです。
専門知識や人員面では訪問看護に劣りますが、家族内で全て完結するため、あえて在宅看護を選ばれる方は多いです。
訪問看護の場合、看護者は看護師をはじめとした看護の専門職や、理学療法士などのリハビリテーションの専門職です。
専門スタッフが患者様の自宅へ向かい、患者様に合わせて適宜医療サービスを行うことが在宅看護と大きく異なる点です。
訪問看護のメリット・デメリット
訪問看護のメリット
1,自宅にて療養・治療ができる
2,患者様に合わせた専門職による医療サービスを受けられる
3,通院の必要がなくなる
持病や症状の程度によっては通院が困難な場合が考えられます。
しかし、訪問看護であれば専門スタッフが自宅へやってきてくれるため、通院の必要がなくなることから利用者の負担を大幅に減らせます。
訪問看護のデメリット
1,治療・医療サービスに限界がある
…自宅での診療のため高度な医療機器などを用いる医療行為は望めません。
2,家族の負担が重い
…医療サービスは受けられても、日常生活面ではご家族のサポートが不可欠です。
近頃は介護する家族が介護疲れによる「介護うつ」を発症するなど、社会問題となっています。
在宅看護のメリット・デメリット
在宅看護のメリット
1,費用がかからない、あるいは軽微
ご家族のみで看護する場合、基本的に費用はかかりません。
負担が重い場合などは適宜ヘルパーなどにサービスをお願いすることで、訪問看護よりも費用を抑えられます。
2,自宅で療養・治療できる
在宅看護のデメリット
1,訪問看護のデメリットと同様に、家族の負担が重い
2,できることに限界があるため、専門職によるサービスにはどうしても劣ってしまう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
在宅看護・訪問看護はよく似ているのですが、それぞれメリットがあります。
その中でも、訪問看護に興味を持たれた方はぜひ当社にご連絡ください。